2019 年 3 月中旬、まだ本州には雪がちらつく時期に Peg と島旅行。 急きょとった休暇のためバタバタと準備を始める。フライトの手配、宿の手配、レンタカーの手配。今はインターネットで自分が都合の良いスキマ時間で予約手配が可能な時代。だからこそ自分好みの個人旅行ができる。便利な時代になった。 行先は沖縄県宮古島。20 年ほど前にトライアスロン大会で訪れたきり。もちろん旅行は今回が初めてとなる。3~4 回出場したためレースコースは何となく覚えているが観光は初めて。一人ふらり旅なら島に着いてから行先をのんびり考えても良いのだが、今回は家族旅行。情報が皆無だと旅先で段取り悪くなり家族からクレーム出されても困るため早速調べる。
春休み前の平日 4 泊 5 日につき諸々の手配に困ることはなかった。 昨年同じ時期に石垣島へ行った時もいろいろ空いていて快適な旅行だった。また、最近島に移住したトライアスロン仲間にも会いたいと思ったことも宮古島を選んだ理由の一つ。島といえ どロングのトライアスロン大会が行われるほど広い。したがって、2 泊は市街地にほど近い島宿、2 泊はリゾートホテル、と変化をつけて島ステイを楽しむことにした。
旅のスケジューリングが決まったら持ち物の準備を始める。 私好みの旅スタイルは荷物を少なくすることだ。アレコレ持っていっても使わないものもある。選手時代の遠征で学んだ。 1989 年の第 1 回世界選手権大会に日本代表に選ばれて生まれて初めて海外へ行った時は、やたら大荷物になった記憶がある。しかもお土産で帰りは荷物が増える。 日本選手団で行く時はまだ何とかなるかもしれないが、個人でワールドカップ転戦し始めたらそうはいかない。とにかく私たち選手には大事なバイクがあるため、自分の荷物は極力減らすスタイルに進化していった。その影響で今でも旅行荷物はコンパクト仕上げ。「えっ?これだけ?」と良く言われるが充分である。土産も現地に到着したらすぐ購入し送るため、帰宅した日またはその翌日に受け取れる。 今回はかさ張るウエットスーツも先に島へ送った。宮古島もう海で泳げるよ、でも日によっては肌寒いかも?の現地情報をいただき、ウエットがあれば絶対泳げると判断した必須アイテム。もし使わなければそのまま送り返すだけ。結果的に水着で泳げた!ため、ウエットスーツはただ往復したのみ。家族分のウエット、持参したら大変だ。
旅行鞄はここ数年、ルディプロジェクトのダッフルバッグが旅のお供。丈夫で軽くて間仕切り多く、遠征や旅にはもってこい。イチオシは背負えること。バイクがあるので遠征バッグは背負えないと移動時に困る。スーツケースは意外に不便なので家族中で私だけ持っていない。これでいいのだ。 準備するうちに島の状況や地理も分かってきてどこへどう行けば効率よく観光できるか動線がみえてきた。レンタカーがあるため移動手段には困らないが、そういえば石垣観光中に運転していてバイクで走りたかったなあ!と思い出し、どうしようかな? そうだ!Peg を連れていこう! 旅には最適なバイクだし、そもそも運びやすいように考えられているし。現地の普通のレンタサイクルじゃあ楽しく ないけど、Peg ならカワイイ見かけによらずガチで走れる。しかもサイズ変更が簡単だから家族内で乗り回せる。
早速 Peg を輪行させるべく梱包作業を開始した。 今までバイクはバイクケースに入れて運んでいたため輪行経験は大昔に 1~2 回。しかも飛行機輪行は初めての挑戦。大丈夫かな? 結論から述べると、持っていってよかったし、また輪行旅行がしたいと思ったほど。 前置きが長くなってしまったが、飛行機輪行初体験の私でも簡単にできた Peg との旅レポはここからが始まります。 先ず Peg をバラした行程から。
工具はこれだけ。ペダルは付けたままで大丈夫ですが、私はなるべく幅も狭くしたいし突起物を減らしたいため取ります。ペダルも取った場合は付ける工具を忘れずに。 最初、ハンドル・前後輪およびサドルも外したらすごく小さくなってヤッタ!と思ったが、現地で組む作業を減らしたい。そして輪行バッグを置く時に安定してしかも持つ運びしやすくまとめたい。こうして編み出したスタイルを紹介します。
後輪とサドルは外さない。サドルは一番低く下げ、高さを抑えておく。ハンドルはトップチューブに引っ掛けて Peg 付属輪行ベルトで固定する。このベルト、しっかり固定できて重宝します。 なくさないようにしよう。また、前輪のシャフトやハンドルを取りつけるステム棒?も、ペダル等と一緒にプチプチに包んで忘れずに持っていこう。フォークはむき出しになるため手持ちのスポンジで養生し、先端二股は輪行用の固定資材をはめ込んでおけば地面に置いても大丈夫。後輪とバランスよく置けば自立します。
自前のファスナー付き小径ホイール輪行バッグを使用。移動時はファスナー開けて後輪を転がして移動できる。しかし想像するに、駅までタクシー。空港までエレベーターと鉄道移動。島に着いたらレンタカーもしくは空港からすぐ乗るかもしれないのに、どれだけ後輪転がすかな?その度にファスナー開け閉めが必要。しかも袋の中でチェーンや後輪やクランク等が動き回るほうが余計面倒になるんじゃないかと考え、せっかくの便利機能だが全ての固定して後輪ロック状態にした。結果、この旅では後輪コロコロする場面はなかった。他の旅ではコロコロ場面もあるかもしれない。使う時が楽しみだ。
外した前輪はフレームの横に固定。接触する部部に緩衝材を巻いて傷がつかないように養生。伸縮性のある布紐でゆすってもカタカタいわないように全体をひとまとめに固定。最後にスポンジで包み込み完成。空気圧を少し減らし、空気入れも携帯用ポンプのみ。エアカートリッジは空港で面倒のもとになる。 梱包された Peg を袋に入れ、必要最低限の工具スペアタイヤ等を袋に入れ、これも固定。袋の上部のファスナーを空けてサドルを出し、運ぶときの持ちてにすると楽。輪行袋の肩紐をフレームに絡めてショルダーバック状にすると完成。
自宅からタクシーで最寄りの駅へ。トランクに入るので問題ない。 中部国際空港から直行便で無事に宮古島に到着。旅行客も少なめで全てがスムーズ。
レンタカーにのせて島宿移動。到着後組み立て完了。宿の方が親切に物置小屋に Peg を入れてくださり感謝。さすが人情厚い宮古島。
翌朝、池間島へ一人ライド。途中、宮古島自転車チームの朝練トレインに入ってしまう。最初は怪訝そうに様子見られていたがハイペースでも登りでも千切れない Peg を仲間と認めてくれたようで、一緒に走りましょう!と言ってもらえた。想定外にガチ走 40 ㎞ほどの朝練となった。 宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋は全長 3 ㎞。その日は下地島空港の内覧会が重なり、車が多くて残念ながら橋の上では写真撮影ができなかったが、うちの子どもが Peg で橋を渡り満喫していた。アーレンキー1 本でサイズ変更ができるため、皆で乗り回せる Peg の楽しみ方。乗らない時はサドル下げて前輪外せばコンパクトになり車に積み移動。
次の日は 83 号を Peg で東平安名崎へ。サトウキビ畑と青い海(と、向かい風)を楽しみながらライド。アップダウンもあるため変速機が無い普通自転車じゃあこんな快適には走れないだろう。トライアスロンの聖地にも立ち寄った。20 年ぶりか。この歳でも自転車できてしまった。あと 20 年後も自転車に乗って訪れるかな。 引き続き家族がそのまま Peg で移動してよいと言ってくれたので 235 号の海岸線ライドを満喫できた。60kmほどライドを楽しみ、次の宿泊先であるリゾートホテル到着。
トライアスロン仲間にも再会でき、観光もでき、海で泳ぐこともできた。Peg を連れていって本当に良かった。 心残りの石垣島ライドもぜひ Peg で挑戦したい。 試合用のロードレーサーを旅行に持っていくのはちょっと・・・というライダーには Peg がおススメ ですよ。 レポート:高橋希代子